ホルヘ・ルイス・ボルヘス - Wikipedia: "ホルヘ・ルイス・ボルヘス(Jorge Luis Borges、1899年8月24日 - 1986年6月14日)は、アルゼンチン ブエノスアイレス生まれの小説家、詩人。本名、ホルヘ・フランシスコ・イシドロ・ルイス・ボルヘス・アセベード。代表作として、『伝奇集』、『幻獣辞典』など。ダンテの『神曲』を「あらゆる文学の頂点に立つ作品」と称え、講義集を残している。"
国家が衰退していくときにもでも芸術は生き残ることがある。でも長くは続かない。ボルヘスもアルゼンチンが豊かであった時代の落とし子なのである。
アルゼンチンは、国民が圧倒的に支持したペロンのバラマキ主義ポピュリズムのせいで、世界有数の富裕な国から世界有数の貧乏国に落ちぶれてしまった。ボルヘスは、このポピュリズムを蛇蝎の如く嫌ったが、しょせん多勢に無勢。最後は国を捨ててスイスで死ぬ。
ボルヘスは母国語であるスペイン語よりも英語で書くことを好んだ。英語の方が、言語の構造上、感情を直接伝えることが出来るというのだ。たとえば形容詞に接尾語をくわえて出来る形容動詞だが、英語なら "rapid" に"ly" を加えて "rapidly" となるがアクセントは前に付くので "rapid" が強調される。それに対してスペイン語の接尾語は"mente" となりおまけに最後から二番目の母音にアクセントが付くので、無意味な音が強調されてしまい詩的ではないという。これは中世のスペイン言語院が機械的にルールを決めたためだが、同じような例を明治以降の「現代日本語」や韓国語にも見られる。将軍様の大本営発表ニュースが「ハムニダ」ばかり目立って滑稽なほど単調なのもそのためだ。
荷風も同じ理由で明治以降の日本語を嫌った。文語の方がよほど美しいのである。文語漢語が多い荷風作品はそういう観点からもっと読まれてしかるべきだと思う。
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